良い人になんてならないほうがいい話
僕が働くバイト先は17時から営業する飲食店で営業に合わせてパートさんが仕込みをしてくれる。
従業員は仕込み、営業に分かれて作業していて基本的に仕込みの人間と営業の人間が関わることはない。
だが、この夏仕込みの人間カレンさんが営業に入ることになった。カレンさんは国際結婚をしていて夫と息子が母国に帰省している間の時間を利用して営業に入っているとのことだった。
そんなカレンさんに言われた話
カレンさんは自分の母親よりも少し若いかなくらいのルックスだった。気さくな方で、一緒に働いていてすぐに打ち解けることができた。
カレンさんは本当にいい人なのだ。「なにか私にできることあったら言ってね」が口癖の女性だった。愛想も良く周りに敵を作らない。ザ・良い人。正しく言えば、ジ・良い人。そこはどうでもいいのだが
カレンさんと働き始めて2日目、2人で洗い物をしていると皿の下げ場が溢れていたので、それに僕は気付き下げ場の皿をバラすのを手伝った
皿を下げてくるホールの子達。
「ちんちゃんありがとう!」
「えーよえーよ!そこ置いていきー、俺やっとくからー!」
と言う会話を交わしていた。
すると、カレンさんにちんちゃんは本当に良い人だねと言われた。
僕は良い人に褒められたので嬉しい気持ちになった。
カ「でもね、、、」
ち「?」
カ「良い人になるのは良いことなんだけど、良い人になりすぎると、都合のいい人、どうでもいい人になっちゃうから気をつけてね」
僕はなんて返したらいいか分からなかった
明るいカレンさんの表情が少し霞んだ気がするから
ち「わかりました!頭に入れておきます」
精一杯の返事だった
ここからは僕の想像になるのだが、カレンさんは良い人であるが故に、過去に辛い思いをしているのだろう。悪い奴に利用されたか、友人に裏切られたのかそれは僕には分からない。
カレンさんは僕を見てかつての自分に重ね合わせて僕が辛い思いをしないようにと、思わずアドバイスしてしまったのだろう。と僕は思っている。
カレンさんが僕に伝えたかった事
良い人にはなりすぎないほうがいい
嫌われてでも、自分の意見は言ったほうがいい
他人には冷たいくらいがちょうどいい
若いうちに世界をみといた方がいい
塩分は取りすぎない方がいい
エロい話は夜中の方がいい
スーパーでたくさん物を買うならカゴを使った方がいい
具材は小さい方が火の通りがいい
こんなもんかな
カレンさんが伝えたかった事僕はどれだけ理解できているのだろう